えびのらくがき

とある理系会社員の気晴らし備忘録

穴(小山田浩子)読んでみた。

個人的には好きな作品でした。

仕事を辞めて夫の実家の隣に引っ越し、周辺のユニークな人物達と触れ合う中で広島の田舎町にお嫁さんが馴染んでゆくという話。

 

細かい風景描写で田舎の夏の雰囲気が伝わり、穴、黒い獣、ニートの義兄といった不思議な存在が不気味な世界観を醸し出している。

それぞれが何を意味するか、納得いく解釈を自分は得られていないが、田舎町の特殊な事情を細かく描いていて、非現実的な不気味な世界観でありながら、ノンフィクションであるような印象を受けた。

 

加えて過去に私が広島に住んでいたということもあり、親近感が湧き、風景描写もイメージし易かった。

穴(新潮文庫)

穴(新潮文庫)

 

 

ナミヤ雑貨店の奇蹟(東野圭吾)読んでみた。

過去と未来がつながって、手紙のやり取りをするという東野圭吾らしいSF設定が良かった。

個人的にはつながった理由や仕組みに関する説明が欲しいなと思ったが、おそらく感動要素を大きくしたかった為に、そういったごちゃごちゃした理系的説明は避けたのだと思う。 

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
 

 

サイコロジカル(西尾維新)読んでみた。

戯言遣い4作目。

玖渚友の昔の仲間、兎吊木垓輔が惨殺される話。

結果、 兎吊木は死んでおらず、研究所の他メンバーを自分と見せかけて殺し、

マッドデモン斜道卿壱郎とのしがらみから抜け出すという結末。

 

雑感

話が長え。。。上下合わせて何ページあるの??

という感じだが、面白かったからいい!!

 

兎吊木が死んでいないというのは、冒頭の会話から察することができた。

そんな予想がついていながらも、バッサリ髪を切った研究員など細かい伏線が回収されていくのが楽しく、非常に満足感のある作品でした。

 

他人を惨殺し、自分が死んだように見せかけるという手法は一話のクビキリサイクルを連想させる。あえて同じようなトリックを採用したのかどうかはわからないが、何度よんでもやはり面白いです、西尾維新は。

 

サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)

サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)

 

 

サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)

サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)

 

 

アイネクライネナハトムジーク(伊坂幸太郎)読んでみた。

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アイネクライネナハトムジークとはドイツ語で、小さな夜の曲という意味で、

モーツァルト作の古典楽曲のタイトルである。

YOUTUBE

www.youtube.com

 

伊坂幸太郎の心温まる短編小説集であり、それぞれの話で主人公は異なるが、舞台となる街は同一であり彼らの人間関係はつながっている。

モーツアルト楽曲のアイネクライネナハトムジークように穏やかでありながら、随所にアクセントが効いていて若干の緊張感があるような物語であった。

 

一話で間接的にテレビ画面上に登場した日本人ヘビー級ボクサーが、最後の方では主人公としてフォーカスされ、登場人物同士のつながりが面白く、よく練られた作品だなと感じた。

 

なんと、2018年度に三浦春馬主演で映画化予定らしい。

完成したら是非観に行きたいな。

 

星の王子様(サンテクジュペリ)読んでみた。

子供の頃によく遊びに行っていた叔母の部屋の本棚にあったのを覚えていて、

その時、大人になってから読むと良い、と言われたような記憶があり気になって古本屋で購入し読んでみました。

 

感想

星の王子様のピュアで真っ直ぐな言動に心打たれました。

大人になって見失いがちな、物事の本質や、生きる本当の意味を考えさせられる名作です。今我々が仕事をしているのは決してお金を稼ぐことが目的ではないのです。

 

 最後は砂漠で死んで、星になってしまうというのは少し悲し過ぎるラストだなと思ったが、愛するものの大切さを擬似的に感じることのできるうまい演出のようにも思った。

星の王子さま (角川文庫)

星の王子さま (角川文庫)

 

 

 

クビツリハイスクール(西尾維新)読んでみた。

 あらすじ

人類最強の請負人哀川潤と共に、紫木一姫(ゆかりきいちひめ)という生徒を私立澄百合学園(別名首吊高校)から救い出すのがいーちゃんの今回のミッションである。
糸を使った奇妙な惨殺事件が相次ぐが、結局犯人は紫木一姫なのであった。

 

感想

戯言遣い3作目。内容は文句なしで面白かった。

特にここでごちゃごちゃ感想を書く気は無い。

 

本作で最も気になるのは、戯言シリーズのファンであれば誰しもが思ったことだと思うが、いーちゃんの本名って何なんだ??

本作ではそのヒントが多く語られている。

 

ヒント①ニックネーム

師匠、いーたん、いっくん、いの字、いー兄、いーの、いのすけ、戯言遣い、詐欺師

ヒント②ローマ字で表記した場合の母音と子音の数

母音8、子音7

ヒント③あを1、いを2、、、んを46とした場合の総和

134

 

他の方のブログをいくつか拝見したが、ヒント②&③に該当する文字列は莫大のようで、なかなか名前は絞れないらしい(気が向けば自分でも計算してみようかな)。

どうやら西尾維新は明確な名前の裏設定を準備しているようだが、それが明かされることは無かったようだ。

気になる。。。

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社文庫)

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社文庫)

 

 

蹴りたい背中(綿矢りさ)読んでみた。

今更感が凄いですが、『蹴りたい背中』読んでみました。

言わずもがな、綿矢りさ氏当時19歳での最年少芥川賞受賞作品です。

 

あらすじ

クラスで孤立している女子高生ハツは、モデルのオリチャンの話題をきっかけに陰キャラ男子、にな川と関係が深くなっていく。しかし特に恋愛感情がある訳ではなく、ハツはむしろにな川に対して優越感を持っているような、あるいはバカにしているような、そんな様子である。にな川の家に招かれた時、オリチャンのラジオを一人でイヤホンをつけて聴き始めたにな川の背中を蹴りたい衝動に駆られる。そして蹴る。

その後、にな川とクラスの女子と3人でオリチャンのライブに行くことになるが、にな川は出待ちで感情的になりすぎで警備員に叱られ、ハツはにな川の意外な一面をみることになる。終電を逃してしまい、にな川の家に泊まることになるが、ハツはまたにな川の背中を蹴りたい衝動に駆られる。

 

感想

うわー、綿谷りさ好きだー。

実際ストーリーは、クラスで孤立する高校生の心情を描くという、そんなに面白い設定では無いにも関わらず面白い。

未成年のもやもや、ゆらゆらした心情の表現がうまい。

情景を想像させる比喩表現がうまい。

そして一番は、書き出しの文章がガツンと来てうまい。

 

さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。細長く、細長く。紙を裂く耳障りな音は、孤独の音を消してくれる。気怠げに見せてくれたりもするしね。葉緑体? オオカナダモ? ハッ。っていうこのスタンス。

蹴りたい背中冒頭引用)

 

なんだこの、格好いい書き出しは。

我輩は猫である名前はまだない、くらい格好いい。

もう1ページ目だけで面白いことがわかる。

たとえ残り100ページが全く面白くなくても、書評を書くなら4点は付ける。

それくらいの書き出しだった。

 

もちろん書き出しだけでなくその先も前述の通り、説明の表現がうまく、

こういうのが天才だと思った。

 

次はインストールを読むことにしました。

早く読みたい。

 

 

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)