えびのらくがき

とある理系会社員の気晴らし備忘録

コンビニ人間、読んでみた。

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村田沙耶香氏、2016年芥川賞受賞作品。

前々から気になっていたが手に取る機会が無く、そのままにしていた書籍の一つ。

単行本は高いし。。。

 

先日BOOKOFFに売られていた『コンビニ人間』をたまたま見つけ、気づくと手にとって開いていました。ページ数は160と少なめで1時間半ほどで読了。

印象としては非常に易しい文体で、難しい言葉は基本的に使われず読みやすい。

にもかかわらず、その文章は力強く、鋭く、そして伝えたい意思が明確にされており、筆者の表現力の高さに感心した。

 

あらすじ

大学時代からかれこれ18年間、同じコンビニでアルバイト店員を続ける独身女性の恵子。毎日マニュアル化されたコンビニ業務を淡々こなし、社会の一部品として存在し続ける日々。幼少時から恵子は自分が『普通』では無いということを自覚しており(文章中に記載は無いがアスペルガー症候群?)、同僚の言行を真似ることで『普通』を演じ、なんとか社会の一部として生活をしている。そんな中、『普通』を演じて社会の一部となるための行動の一つとして、恋愛経験の無かった恵子は、すぐにコンビニバイトを辞めてしまったいわゆるクズの白羽と同棲生活を始める。しかしそれは互いに恋愛感情を持っているわけでも、持とうとしているわけでも無く、恋人を演じているだけの関係。成り行きで、恵子はコンビニ店員を辞めて就職活動をすることとなるが自分はコンビニでしか働くことができない『コンビニ人間』であることを自覚する。

 

感想

『普通』とは何かを考えさせられる作品であった。

誰しも他人とは互いに価値観が異なり、全てにおいて考えが一致しているということなどないが、それをだましだまし、あやふやにしながら空想である『普通』の存在をなぜか確信して、演じて生きているのが人間なのだと思う。逆に言えば、『普通』を演じることが出来るが故に人間は秩序を保った社会を形成することが出来るのだとも思う。

 

私自身も他人と会話をしていて、しばしば価値観の差異を感じることがあるが、別にそれを突き詰めようとはせず、会話そのものはあやふやにして進める。例えば、”浮気は悪である”という前提に対して、個人的な考えとしてはあんまりそうは思っていない。しかしながら、”浮気は悪である”ということが前提となった話題でも、それを覆すことなく会話を成り立たせ、進める。ある程度嘘をついていたり、矛盾していたりしながら、自分自身も『普通』を演じていることに、本書を読んで気づいた。

 

人は誰しも大なり小なり恵子のように『普通』を演じているのだろう。

 

コンビニ人間

コンビニ人間