えびのらくがき

とある理系会社員の気晴らし備忘録

蹴りたい背中(綿矢りさ)読んでみた。

今更感が凄いですが、『蹴りたい背中』読んでみました。

言わずもがな、綿矢りさ氏当時19歳での最年少芥川賞受賞作品です。

 

あらすじ

クラスで孤立している女子高生ハツは、モデルのオリチャンの話題をきっかけに陰キャラ男子、にな川と関係が深くなっていく。しかし特に恋愛感情がある訳ではなく、ハツはむしろにな川に対して優越感を持っているような、あるいはバカにしているような、そんな様子である。にな川の家に招かれた時、オリチャンのラジオを一人でイヤホンをつけて聴き始めたにな川の背中を蹴りたい衝動に駆られる。そして蹴る。

その後、にな川とクラスの女子と3人でオリチャンのライブに行くことになるが、にな川は出待ちで感情的になりすぎで警備員に叱られ、ハツはにな川の意外な一面をみることになる。終電を逃してしまい、にな川の家に泊まることになるが、ハツはまたにな川の背中を蹴りたい衝動に駆られる。

 

感想

うわー、綿谷りさ好きだー。

実際ストーリーは、クラスで孤立する高校生の心情を描くという、そんなに面白い設定では無いにも関わらず面白い。

未成年のもやもや、ゆらゆらした心情の表現がうまい。

情景を想像させる比喩表現がうまい。

そして一番は、書き出しの文章がガツンと来てうまい。

 

さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。細長く、細長く。紙を裂く耳障りな音は、孤独の音を消してくれる。気怠げに見せてくれたりもするしね。葉緑体? オオカナダモ? ハッ。っていうこのスタンス。

蹴りたい背中冒頭引用)

 

なんだこの、格好いい書き出しは。

我輩は猫である名前はまだない、くらい格好いい。

もう1ページ目だけで面白いことがわかる。

たとえ残り100ページが全く面白くなくても、書評を書くなら4点は付ける。

それくらいの書き出しだった。

 

もちろん書き出しだけでなくその先も前述の通り、説明の表現がうまく、

こういうのが天才だと思った。

 

次はインストールを読むことにしました。

早く読みたい。

 

 

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)